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艶画小説『曼珠沙華の女』第六章「桃色狼参上!」

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昭和ストリップアート・その二

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昭和のストリップ劇場の看板やポスターは実にエロくてワクワクしますね。
このポスターの和服美女。浮世絵風でもあり、昭和エロ漫画調でもあり、実に良く描けていると思います。画家的に評しますと、補色効果を分かっている人が描いています。背景のすだれのようなブラインドのような緑色と着物の紺色が、踊り子の肌を美しく際立たせています。
絵だけを見ると、上品なのですが、タイトルとキャッチコピーをギトギトにすることによって、スケベ心を鷲掴みにしていますね。「殿方皆殺し」ってのも凄い。日舞ショウと洋舞ショウ、あらゆる趣味の殿方を誘っています。さらに「花車ショウ」ですよ。おそらく「花電車」のことでしょうね。オ○○コで曲芸を見せるってやつです。「ベッドシーン」は男優と踊り子とのSEXショウなのでしょうか。いずれも現在では見られない出し物ですね。
私が執筆中の『満珠釈迦の女』は温泉地のストリップ小屋も舞台にしておりますが、昭和50年代に私が覗いた数少ないストリップ劇場体験を元にしております。
例えば、青森県八戸市で見たドサ回りの関西ストリップ小屋では、巨根男優と踊り子との息を呑む本番ショーや、オバサンと若い娘とのレズショーなどを当たり前にやっておりました。立ち見していた私の前を通り過ぎた踊り子のお姐さんにギュッとオ○○ンを掴まれ、「楽しんでるぅ」と言われたことを今でも覚えています。
千葉の本八幡のアラジンという小屋では、フィリピン系と思われる若い女の子が、マドンナの「ライク・ア・ヴァージン」に乗って「イエー」と現れて明るくダンスするまでは良かったのですが、その後にナマ板ショーをやらされて、舞台に上がった職人風のオヤジと本番を本気で嫌がっていたのには閉口しました。オヤジは彼女にフェラチオするように頭を押さえるのですが、頑なに嫌がって、オヤジのチ○ポを騎乗位で無理矢理入れて早くイカせようとする彼女。私と目が合った時は切なかったなあ。イカないオヤジを舞台に残して、彼女は舞台を下りました。
あの時のオカッパ頭の女の子が小説のナオちゃんのモデルなのです。。。。

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艶画小説『曼珠沙華の女』第五章「モンロー・幸子」

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艶画小説『曼珠沙華の女』第四章「下北半島純情スケッチ旅行」

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オリジナル艶画小説『ラフレシア夫人』・挿絵集 その二

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オリジナル艶画小説『ラフレシア夫人』・挿絵集 その一

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艶画小説『曼珠沙華の女』第三章「頭の中のシャッター」

艶画小説『曼珠沙華の女(まんじゅしゃかのひと)』第三章「頭の中のシャッター」
プロローグから順番にお読み下さい。

         一

 「お風呂でのことは、忘れましょうね」
 幸子さんはそう言ったが、僕は一生忘れられないだろうな、と思った。「息子にしか思えない」と言われたが、僕は幸子さんを母親のように思うことは永遠に出来ないであろう。
 夕食は、ホットプレートで焼き肉だった。幸子さんはビールを飲みたかったようで、肉を焼きながら、何本も店から瓶ビールを持ってきた。僕もコップで三杯は飲んだだろうか、二人とも良い気分になった。
「そうだ、雄一にわたしの絵を描いてもらうお願いをしていたよね」
「うん、ヌードね」
「ヌードは、もう見せちゃったからなあ」
 柄にもなく、幸子さんが顔を赤くした。
「あらためてモデルになってくれなくても、描けるよ」
「ふーん、凄いのね」
「うん、なんか最近頭の中でシャッターを切る技を覚えちゃってさ」
「何それ?」
「一度見た風景や人物を頭の中の印画紙に焼き付けられて、後でそれを引っ張り出して絵に描けるんだよ」
 本当の話だった。それはオジキと幸子さんの部屋でのエッチな光景を見た時からだった。僕は、翌日学校の帰りに画材屋で新しいスケッチブックを買って、帰宅してからあのシーンを忠実に描くことが出来たのだ。オジキの雷神も幸子さんの満珠釈迦も細密に掛けた。それ以来、幸子さんの朝のTシャツノーブラ姿や、パンティーを覗かせながら部屋を掃除する後ろ姿、親父と話をする時の頬杖付く幸子さんの姿など、何枚も何枚もスケッチした。さらに驚いたのは、図書室で恵美子とキスした時の光景すら客観的に描くことが出来たことだ。あたかも自分の分身が二人を眺めていたように描くことが出来た。さらに遡って、幸子さんと初めて雨の麻岸駅で出会った時も、姉ちゃんが「特急はつかり」で東京へ旅立った時、青森の病院で見た母ちゃんの青白い死顔までも。もちろん今日の海での出来事も、風呂場での秘め事も全部頭のシャッターを切って記憶してある。幸子さんのアソコも初めて見た女性器として克明に描くことが出来る。僕は、この他人には絶対に見せることのないスケッチブックに、サルバドール・ダリの名作から拝借して「記憶の固執」というタイトルを付けた。
「それは一種の病気だね」
 と幸子さんは、眼を丸くして言った。
「病気?、頭の?」
「そうじゃなくてね、天才的能力なのよ。芸術家には多いって聞いたよ」
「例の漫画家のアシスタントになった男の話?」
「うん、そう。彼は、自分にはそういう資質が無いからって嘆いていたのよ」
「でも、絵を描くことが好きで、上手だったんでしょ?」
「つまりね、それだけでは駄目なのよ。音楽で言えば、モーツァルトとか美空ひばりとかプレスリーとか、持って生まれた天才的な才能があった訳じゃない。絶対的音感だとかさ。絵もそうなのよ。雄一みたいな頭の中のシャッターを持っていて、絶対的美感みたいなものを備えている人間っているのよ。たぶん、ラファエロとかモネとかダリもそうだったのね。あ、焦げちゃうから食べな」
 幸子さんが僕の皿に肉を載せてくれた。
「でも、原田先生は『天才なんてこの世にはいないのよ、だから大学で専門的な教育を受けてこそ画家にも音楽家にもなれるの』って言ってたさ」
「おいおい、また原田先生登場かよ!。だったら聞くけど、ひばりやプレスリーって音楽大学出てんのかいってんだよ!」
「ん〜、幸子さんがプレスリーをどれだけ好きか分かんねえけど。そういう理屈って通るのかなあ」
 幸子さんは相当酔っている。椅子に片膝ついて箸先を僕に向けて熱弁する。
「あんたの親父は借金まみれだろ。原田先生が言うように大学で専門的なお教育なんか受けさせられないのさ!。だったら腹決めて、画壇のプレスリーになればいいのさ。芸大、美大出なきゃ画家になれないって誰が決めたんだよ!。日展、二科展で入選しなきゃ画家にあらずって誰が決めたんだよ!」
「幸子さん、また酔ってねえ時にこの話するべ」
 僕はホットプレートのスイッチを切った。
「うん、そうするべ。雄一、民雄がいねえからさ。今夜から一緒に寝てけろ」
「なんだべ、風呂でワさ説教してけだ幸子さんじゃねえな。ガッカリだじゃ!」
「なんだオメ、寂しいから一緒に寝てけろって言っただけださ。誰がセックスしてけろって言ったのさ?」
「バカにしくさって!。酔っ払いのオバサンとヤリてえなんて思ってねえじゃ!」
「オバサンときたか、あははは。やっぱ、初々しい恵美子ちゃんがいいんだべ」
 と幸子さんがコップの残りのビールを飲み干した時に、親父が帰って来た…。

        二

「おお、まだ起きてたか、ちょうどいいじゃ。幸子さん、こっちゃ来てけろ」
 親父が居間へ誘った。居間には、恵美子の親父がいた。
「雄一、オメ、明日学校だべ。二階さ行って寝ろ!」
 親父が手で僕を追い払った。なんだか、良ぐねえ雰囲気だ。僕は二階へ行く振りをして階段に座った。
「雄造さん、なんですか?、改まって。こちらは恵美子ちゃんのお父さんでしょ」
「なんだ、知ってたか。そう、佐藤さんだ」
「ああ、佐藤です、幸子さんよろしく」
「はいはい、で、あたしに何の話があんの?」
「実は、民雄には話してあるんだが、俺には良ぐねえとこから借金があってよ。ここの家も土地も取られそうなんだよ」
「あ、民雄は東京に用事があって帰ったよ」
「おお、そうか!。じゃあ話がしやすいってもんだじゃ」
佐藤が声を弾ませた。親父が続ける。
「で、この佐藤さんに間に入ってもらって、何とか返済を引き延ばしてもらったのさ」
「それはそれは、ありがとうございます、佐藤さん」
「ただね、こちらとしても無条件って訳にもいかず、幸子さんに助けてもらいたいと、雄造さんにお願いしたんですよ」
「あたしが何の助けになるってえの?、佐藤さん」
「うん、うちの小屋に出てもらいたいんですよ」
「はあ?、ストリップ小屋に?」
「はい、あのロマン劇場は青森の組の配下でして、毎月上納金を納めているから商売になっているんですよ」
「佐藤さん、あんたは他にも手広く商売しているようだから、他の売り上げから上納金を払えるってもんでしょ」
「上納金だけの問題じゃなくて、あの小屋に来たスケベな客を、そのう、組がやっている裏の店に紹介するシステムになっていて、潰す訳にいかないんですよ」
「はあ、で、最近めっきり客足が減って、しかも大阪万博で今年の夏は売り上げが下がるから、てこ入れにあたしを新人ストリッパーとして売り出して、挽回しようって魂胆なんだ」
「おお、さすが、お姉さん、話が早いじゃ。なあ雄造さんよ」
 佐藤が喜んでいる。
「バカにすんじゃないよ!。雄造さん、あんたそれでいいのかい!。こいつの言いなりになって弟の女を売るのかい!」
「いやいや、売るなんて。ちょっと踊ってくれればいいんだじゃ」
「民雄に知れたら、あんたらどうなるか分かんないよ!」
「うん、だから、民雄が東京に行っている間、そう、一週間だけでいいのさ、頼むよ幸子さん」
 佐藤が土下座しているようだ。僕は、階段を下りていって親父達を殴り飛ばしたい衝動に駆られた。
「雄造さん、あたしもガタガタ面倒くさいことは言いたくないんだけれどね、この佐藤さんの言うことにOKしたら、あんた雄一の将来をちゃんと考えてくれるんだろうね!」
「雄一の将来?」
「そう、借金のメドがついたら雄一を弘前の大学に入れるか、東京に行かせるか、メドがつくんだろうねって聞いてんだよ!」
「うん、まあそれはそうだな」
「だったら、やってやろうじゃないか!」
「おお、そうですか。幸子さん、私も雄造さんも救われますよ」
「ただし、ギャラは一日五千円だよ!、払えるのかい?、佐藤さん」
「ええっ!、な、なんとかしましょう」
「あたしが踊った後にキッチリ雄造さんに払うんだよ!」
「はい、分かりました」
「それとね、絶対に白黒や生板はしないからね!」
「はい、踊っていただけるだけで結構です」
「いいよ、やってやるよ。民雄が戻ってくるまでね」
「はい、じゃあそういうことでな、雄造さん」
 佐藤が帰って行った…。

 台所で幸子さんはまたビールの栓を開けたようだ。
「お兄さんさ、くれぐれも民雄には内緒だよ。あと、雄一のことを本当に頼むよ」
 と言う声が聞き取れた。
「本当に、すまない。佐藤には頭が上がんなくてよ」
 親父が寝床に消えたようだ。幸子さんが、台所の引き戸を開けて階段を上ってきた。
「あっ、雄一!、話を聞いていたのか」
「うん、申し訳ねえじゃ」
「お前が謝ることじゃないよ。やっぱり今夜だけは、あたしと一緒に寝てくれよ」
「うん、そうしよう」…。

 僕と幸子さんは手を握り合って朝を迎えた。
「雄一、ありがとうね」
 目が覚めて、幸子さんは僕の胸に顔を載せてつぶやいた…。

 ほとんど眠れなかった僕はフラフラとバスに乗った。席につくと同時に眠った僕を起こしたのは恵美子だった。
「雄一、疲れてんだか?。昨日はゴメンね。幸子さんに助けられなかったら死んでたかもなオラ。明後日から夏休みだべ、どっか二人で旅行さ行くべよ、なあ雄一。ワの母ちゃんの実家の大湊さ行くべ。下北半島でもスケッチしたらいいさ。青森の夏は最後になるかも知れねえべよ」
 畳み掛けるように恵美子が言う。僕は幸子さんのことが心配でそれどころではない。
「うん、いいかもな」
 なんだか面倒くさくなって、僕は生返事をした。
「よし、従姉に電話しておくね。約束だはんでね」
 恵美子が車内を見回して、僕の唇にキスした。
 僕はそのまま学校に着くまで熟睡した…。

        三

「田村君、夏休みは受験勉強しっかりしておくのよ」
 放課後、原田先生に部室に呼ばれてそう言われた。
「あても無く勉強するよりは、下北半島にでもスケッチ旅行に行きますよ」
 僕は、ぶっきらぼうに答えた。
「それもいいかも知れないけれど、今が一番大事な時だからね。良く考えるのよ」
「どう考えても、うちの経済状況じゃあ、進学は無理なんですよ!」
「そう投げ遣りにならずに、一度、お父さんとお話させてよ、ね」
「無駄ってもんですよ。先生の期待には応えられませんよ」
「下北半島へは、東京から来ている叔母さんと行くの?」
「叔母さんじゃねえし。そんなこと、先生には関係ないでしょ!」
「心配なのよ、田村君のことが」
「じゃあ、先生が一緒に行ってくれるのか?。先生の水着姿でも描かせてくれるのか?」
「何を言っているの!。そういう不良っぽい言い方するのはやっぱり叔母さんの影響なのね!」
「だから叔母さんじゃあねえし、何の影響も受けてないって!」
「やっぱりお父さんとお話しなきゃ駄目ね!」
「余計なことしないで下さいよ!。あと幸子さんのことを悪く言うのも止めて下さい!」
「その幸子さんともお話したいわね」
「先生よりよっぽど絵のことを分かっている人だから、先生が惨めになるだけですよ」
「なんですって!。田村君、聞き捨てならないわね!。今まで君の良き理解者だと思っていたわたしが馬鹿だったのね!」
「先生には感謝しているけれど。ボクにだって夢とか野望ってものがあるんですよ!。それを先生は分かっていないでしょ!」
「何を偉そうなことを言ってんの!。高校生の分際で!」
「ほら、本音が出たね。とりあえずワを大学に入れて点数稼ぎたいだけなんだろ!」
 先生の目が吊り上がり、僕の頬を思い切り張った。幸子さんのビンタより何倍もの痛さに僕は驚くと同時に怒りが湧いた。
「もうワに関わらねえでけろじゃ!。先生の言う通り、ワは幸子さんに影響されているんだじゃ。幸子さんこそワのことを分かってくれているんださ」
「もうどうでもいいわよ!。田村君には今後一切何も言わないわよ!。叔母さんと下北で楽しく過ごしたらいいじゃないの。わたしにはもう関係ないことだわ!」
「下北には恵美子と行くんだじゃ。秋の文化祭には下北の海で描いた恵美子のヌードを出品するから先生も楽しみにしていてけれじゃ!」
 こんなことまで言うつもりは無かったが、後の祭りだった。
「佐藤さんと不純なことをしたら、一人の教師として君を許さないからね!」
「だったら、先生のヌードを描かせてくれってんだよ!。文化祭の目玉になるだろうな!、あははは」
「本当に君は、どうしようもない生徒になってしまったのね!。わたしの前に二度と姿を現さないでね!」
 先生はもう一度僕にビンタして泣き崩れてしまった。僕は、とんでもないことを言ってしまった。先生を抱きしめたかったが、そんなことをする勇気もなく、何も言わず部室を後にした…。

 恵美子が下駄箱の前で待ち伏せしていた。
「あれ?、雄一泣いてんの?、原田先生と何かあったの?」
 知らず知らずに、僕は泣いていた。
「いや、何でもねえ。さ、帰るべ」
 バス停まで歩きながら、
「原田先生ってあんなに美人なのに、なして結婚しねえんだべな?」
「うん?、あったなキツい女、嫁にする男なんかいねえべ」
「そったこと言ったら悪いべさ。雄一のこと凄く大事にしてっぺさ」
「迷惑ってもんださ。それより、下北さ行くべよ、な、恵美子」
「うんうん、昼休みに従姉さ電話したっさ。『彼氏と来るんだか』って聞かれたから、『うん』って言ってしまったさ」
「どういう意味だ?。新婚旅行でもあるまいしよ。従姉の姉ちゃんに変な気を遣わせるんじゃねえよ」
「従姉の君江姉ちゃんはもう二十一だから、何でも分かってるのさ。軽だけど自分のクルマ持ってっから何処でも案内するって言ってたよ」
「ふーん、でも、オメの父ちゃんと母ちゃんはOKなんだべな?、あとその君江さんの親も」
「うちの親には黙ってるさ、あははは。伯父さん伯母さんにも何も言わねえさ。田名部のアパートで一人暮らしの君江姉ちゃんしか知らねえことさ」
「なんだか、アブねえな。で、下北なんか一日で回れるんだか?」
「オメ、馬鹿でねえか!。小学生の遠足でねえんだから、三泊四日くらいになっぺさ。あははは」
 バスが着た。奥の席に座って、僕は声を殺して会話を続けた。
「え?、泊まり掛けかよ。何処に泊まるんだ?」
「ん?、君江姉ちゃんのアパートとか。場合によっては旅先の旅館とか」
「オメ、いいのか?」
「何が?。あ、旅館代だったらワが全部払うから心配いらねえよ」
「そういう問題でなくてよ。ワと泊まるってことだべよ」
「うん、抱いて寝てけろ」
「はあ?、どうなるか分かんねえべよ」
「うん、雄一とどうなってもいいのさ」
「頼むから静かに話してけろ。まるでハネムーンだべせ、それじゃあ」
「うん、そう思ってもらってもワはOKだじゃ」
「OKって、オメ、何しゃべってんのか分かってんのか?」
「お願いだから野暮なこと言わないのさ、このルノー・ヴェルレーちゃん」
「なんだそりゃ?」
「幸子さんの影響ださ、あははは」
 あっけらかんとした恵美子に僕は圧倒されっ放しだったが、大好きな原田先生とあんなことがあって、破れかぶれになっていた…。

         四

 家では、幸子さんと顔を合せるのが辛かった。親父がいない時に、
「幸子さん、明後日から四、五日、恵美子と下北半島へ旅行に行って来る。親父には男友達と行くって言っておくからさ」
「おっおー、そりゃいいわ。泊まり掛けってことだね。えへへ、若い子は我慢しきれないからアブないからね、あたしからアレをプレゼントするよ」
「アレって?」
「コンドームだよ。しっかり付けてするんだよ。あはは」
「そうなるかどうだか分かんねえよ」
「そういう油断が駄目なんだよ。なんなら付け方も教えてやろうか?」
「分かってっから大丈夫だよ。そったことより、ロマン劇場のことはいいのか?」
「オメに心配してもらうことじゃねえし。あたしは雄一が麻岸からいなくなることで気が楽になったわよ」
「幸子さん、本当にごめんなさいね」
 僕は抱きついて涙した。
「オメは恵美子ちゃんのことだけ考えて、あたしのことはしばらく忘れるのがいいのさ」
 幸子さんが優しくキスしてくれた…。

 夏休み初日、恵美子と朝一の列車に乗った。東北本線上りで野辺地まで、そこで大湊線に乗り換えての二時間あまりの旅だ。車窓からは青々とした陸奥湾が延々と続く。向かえに座る恵美子はよほど楽しいのか、しゃべりまくっている。
「雄一、海ばっかり眺めてねえで、もっと楽しそうな顔しろじゃ。心配か?。原田先生のことも幸子さんのことも、お父さんの借金のことも忘れて、ワと楽しい思い出作るべよ。青森最後の夏なんだっきゃ」
「うん、そうだな」
 恵美子は薄ら化粧までしているのに気が付いた。鬱陶しく思っていた恵美子のことが、こうして二人で秘密の旅の中にいることで急に愛おしくなった。
「隣さ座れじゃ」
 僕は肩を抱いた。明治の画家、青木繁が福田たねという女と房総半島をスケッチ旅行に出掛けた時も、こんな気分だったのだろうか。その時にあの傑作「海の幸」を描いたのだな。僕も傑作を描こう。恵美子は僕にとっての福田たねになるのだろうか。僕も青木のように、これから恵美子に地獄のような苦労を掛けるのだろうか。
「恵美子、いい絵いっぱい描くからな」
「うん、ワのこともいっぱい描いてけろ」
 もし、恵美子と裸で抱き合うことがあれば、頭の中のシャッターを切りまくって、どんな絵でも描いてやろう。恵美子の髪の毛は今までのように汗臭くなく、グレープフルーツのような香りがした…。

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第四章「下北半島純情スケッチ」へつづく。。。

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艶画小説『曼珠沙華の女』第二章「麻岸の海」

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艶画小説『曼珠沙華の女』第一章「刺青」

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明治の毒婦と呼ばれた高橋お伝を描く

"Oden Takahashi killed bad man"
12.7×18cm・Watercolor painting
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南千住小塚原回向院には、鼠小僧次郎吉、片岡直次郎、腕の喜三郎という錚々たる罪人に挟まれるように「高橋お伝」の墓があります。
「明治の毒婦」と言われ、歌舞伎や映画で男をたぶらかし殺す悪女として取り上げられています。その他悪趣味極まり無い噂に彩られた女です。

高橋お伝は、嘉永三年(1850)に現在の群馬県みなかみ町の貧農に生まれた。17歳で高橋浪之助と結婚。浪之助が不治の病を患い、お伝は夫を厚く看病する。夫の死後ヤクザ者の小川市太郎と恋仲になる。
しかし、市太郎との生活は借財が重なり、明治9年(1876)8月、古物商の後藤吉蔵なる男に借金を申し出る。
吉蔵は、「一晩枕を交わすなら貸してやってもいいぞ」と浅草蔵前片町の旅籠「丸竹」へお伝を連れ込む。
吉蔵の言いなりになった翌朝、お伝は、
「約束を忘れないでおくれだよ」と吉蔵に言ったが、
「いってえ何の話でえ?」ととぼける吉蔵。
「ちくしょう!、なんだい!、馬鹿にすんじゃないよ!」とお伝は剃刀で吉蔵の喉をかっ切る。そして、財布の中の僅かな金を奪って逃走する。
二週間後強盗殺人容疑で逮捕。
明治12年、1月31日、市ヶ谷監獄で斬首刑に処される。執行人は八代目山田浅右衛門の弟吉亮(九代山田吉亮)。この吉亮はお伝の他、大久保利通を暗殺した島田一郎の首もはねている。
情状酌量の余地無しで死刑判決、即日執行とは、いかにも江戸時代の風潮が残る明治初期ならではである。
「毒婦」と言えば、昭和11年(1936)に「安倍定事件」をおこした安倍定の方が抜きん出ている。しかし、安倍定は懲役六年の判決、恩赦によって釈放後、昭和49年(1974)頃までの生存が確認されている。70歳くらいまで生きていたのだ。
お伝の墓には「榮傅信女」と戒名が刻印されていたが、本当に成仏したのであろうか、と思いながら手を合わせたら背筋が寒くなったのであります…南無阿弥陀仏…お盆ですな。。。
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プロフィール

月岡圭一郎

Author:月岡圭一郎
普段は普通の(?)絵を描いている画家ですが、セカンドワークとして艶画も描いています。ちょっと昭和な成人漫画調の水彩画を気ままにアップしてゆきますのでご覧下さい。昭和の雰囲気漂う挿絵入り官能小説(艶画小説)も書いております。そちらもお楽しみ下さい。
私は女性の官能美を探求していますが、性癖はノーマルですのであしからず(笑)。
ブロともリクエスト、相互リンク大歓迎です。

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